<“とっぱい”の由来>
昔、安岐郷に親孝行な若い百姓がおりました。ここは雨が少ない地方で、その年は特に雨が少なく作物は出来ず、また飲み水すらも無くなり、老いた母の体は日に日に弱っていきました。そしてある日、若者は母を助けたいと思う一心で、盗みに入ってしまいますが、たちまち捕らえられてしまいます。
取調べで百姓の親孝行の話は知ることになるものの、罪は罪。ところが、これを聞いた役人の頭が、この地方にある強い酒を10杯飲めたら放免すると言い、彼は母の為に受け入れることになりました。
彼はフラフラになりながらも、頑張りましたが、とうとう9杯目を飲んだところで倒れてしまいます。そこへ天より神が現れ、かわりに10杯目を飲んでくれたのです。それどころかあまりの美味しさに神様がその酒を気に入り、百姓にほうびをくださいました。そのときからこの神様を10杯目の神様「とっぱい様」とあがめるようになりました。
原料の大麦を通常の二回ではなく三回に分けて仕込むことで、すいすい杯が進んでしまう、まろやかで上品な味わいを生み出しています。 |